所沢市も“違法状態” 臨時職員へのボーナス支給

引き続き、12月定例会で行った一般質問の続きです。今回は、臨時職員へのボーナス(=一時金)支給についてです。

昨年9月、大阪府茨木市で条例の定めなく臨時職員に支給した一時金を違法とする最高裁判決が出されました。この判決では、

  1. 条例に定めのない臨時職員に対する手当等の支給は違法
  2. 臨時職員への一時金の支給が適法であるためには、当該職員の勤務が正規職員に準じなければならず、週3日勤務で正規職員の6割程度の勤務時間では違法

という裁判所の判断が示されました。

参考:裁判所ホームページ「判例検索システム」より

質問ではこの判決をもとに本市の現状を確認しました。

本市の臨時職員数と一時金支給総額

近年の臨時職員数と臨時職員に支給された一時金の総額は以下の通りです。

  • 平成19年度 (臨時職員数) 1,338 (一時金支給総額) 約2億  700万円
  • 平成20年度 (臨時職員数) 1,381 (一時金支給総額) 約2億1,300万円
  • 平成21年度 (臨時職員数) 1,453 (一時金支給総額) 約2億3,700万円
  • 平成22年度 (臨時職員数) 1,563 (一時金支給総額) 約2億6,700万円

行政改革や団塊世代の大量退職によって減少している正規職員数に対し、臨時職員数は増加傾向にあります。現在の正規職員数は約2,500ですから、臨時職員と合わせると、4,000人以上が市役所の仕事に従事していることになります。

支給根拠は条例に明示されているか

結論からいってしまえば、本市における一時金の支給も“違法状態”にありました。

地方自治法や地方公務員法では、給与額や支給方法は条例で定めなければならないとされているところですが、本市も、茨木市と同様、議会の議決を経なければならない条例ではなく、内規(臨時職員に対する特別賃金及び非常勤嘱託職員に対する特別報酬支給取扱要領)で定めていたのです。これは明らかに1に違反しています。

しかも、この内規における一時金の支給条件は、6ヶ月間雇用されている人、あるいは、6ヶ月間のうち10日以上勤務した月が5ヶ月ある人であり、勤務時間の長短は不問です。一時金の支給対象には「正規職員に準ずる勤務時間とはいえない職員も含まれている(総合政策部長発言)」のです。これも最高裁判決が示した2に反するものです。

市長や総合政策部長の答弁は「条例改正も含めた臨時職員制度の見直しにできるだけ早く着手したい」「臨時職員制度全般に整理すべき点が多いと認識している。今後、法に抵触することのないよう見直しが必要と考える」といったものでした。

本年度は約2億6,700万円が、4年間では約9億2,400万円の公金が違法状態で支出されている状況は早急に改めるべきです。

ご存知でしたか? 教育委員会への直接請願することも可能です

12月定例会で行った一般質問の内容です。今回は、教育委員会への請願についてです。

請願といえば市議会への請願が一般的ですが、教育関係の事柄については、法令上、教育委員会に直接請願することも可能です。

質問では、請願制度に対する基本認識をはじめ、請願が提出された場合の具体的手続きの現状などについて教育委員会の姿勢を質しました。

憲法16条や請願法に規定されているように、請願は市民に限定されることなく何人にも与えられた権利であり、国や自治体の諸機関は「これを受理し誠実に処理(請願法5条)」しなければなりません。これらの規定を受け、本市の教育委員会会議規則11条にも「教育委員会に対して、請願又は陳情をしようとする者は委員長の許可する時間内において事情をのべることができる」とあります。教育委員会に直接請願することは可能なのです。

しかし、教育行政に関する市議会への請願件数や議員による一般質問の状況に比べ、教育委員会への請願件数は圧倒的に少なく、過去5年間に受理されたものは0件、直近では平成17年度に教科書採択に関するものが2件あったという程度にとどまっています。この件数の少なさは、教育委員会が市民などに請願制度の存在をほとんど知らせてこなかったことを示しています。

しかも、これら2件の請願は、担当課で受理された後、教育長の決裁を受けたのみで処理されており、教育委員会会議での実質的な審議は行われず、請願者に結果報告がなされたのかも不明です。紹介議員が必要となるものの、公開の場で審議が行われる市議会の請願制度に対し、教育委員会の制度は請願法に定める「誠実に処理」という文言に本当に適合しているのか多くの疑問が残るところです。

質問でもとり上げましたが、教育委員会においてこうした状況が起こる原因のひとつは、請願のとり扱いについて、他自治体には存在する手続きや基準を明示した規則・要綱等が本市には存在しないことによります。答弁のなかで、教育総務部長から「整備していく」との発言もありましたが、一刻も早い制定が待たれます。

請願は「教育行政に対する市民の関心と期待の表れ(教育委員長発言)」です。制度のさらなる周知と関係法令に則った適切な処理が期待されます。

議会基本条例は制定したけど……。

所沢市議会では「申し合わせ」により所属委員会所管の議案について本会議では質疑できないことになっています。この趣旨は、本会議運営の効率性を考慮し、「所管の委員は委員会で質疑できるのだから、本会議では遠慮して」ということだと思います。

一昨日閉会した9月定例会には自治基本条例案が上程されましたが、総務常任委員会に付託され、同委員会所属の私はこの件について本会議で発言できませんでした。ところが、続く委員会審査では、関連する請願の審査もあって、条例案の審査は行わないことになり、この件について私は委員会においても発言できなかったのです。

もちろん、このようなことはほとんどないので「仕方がない」といってしまえばそれまでですが、事実、発言の機会はなく、これは「委員会で質疑できるのだから~」という申し合わせの趣旨に反するのではないかとも思うのです。

地方議会の運営に関する書籍を見ると、例えば、地方議会運営研究会『地方議会運営事典』(ぎょうせい、2002年)には「委員会に付託が予定されているものについては、質疑はあくまで総括的大綱的な質疑にとどめ、詳細は委員会で行うようにすべきである(p.108)」とあり、また、全国町村議会議長会『議員必携』(学陽書房、2003年)では「委員会中心主義をとる議会や委員会に付託する事件については、本会議では重要点又は概要の質疑に止める運用が適当である(p.306)」と、本会議質疑と委員会審査の関係についての言及に止まっており、所管委員の質疑を制限すべきとは書かれていません。要は本市議会が自らの判断でこのような申し合わせを定めて、本会議を運営しているのです。

ところで、本市議会は昨年2月に所沢市議会基本条例を制定しました。同条例には「議員相互の『自由闊達』な議論を展開しながら、市政の論点を明らかにして、政策立案及び提言を積極的に行っていかなければならない(前文)」「(議会は)『自由闊達』な討議を行い、市政の課題に関する論点及び争点を明らかにするよう努めること(第3条第3号)」とあります。この「自由闊達」とは「何事にも束縛されず、のびのび思い通りにやること」「心が広くのびのびとして物事にこだわらないさま」という意味のようですが、今回のできごととこれら「自由闊達」を強調する条文を照らし合わせて考えると、議会基本条例に即した議会運営にはまだまだ改善点が多々あるような気がします。

もちろん、今回のことはあくまでも一例に過ぎませんが、今後、このような課題を含め、会議規則や「申し合わせ」の全体的見直しを議会運営の詳細について検討・決定を行う議会運営委員会に提起していければと思います。

もっとも、その他の懸案事項も目白押しの委員会ですから、議論の俎上に上るまでかなり時間がかかるとは思いますが。