関係市が連携した総合的な視点でのまちづくりを 秋津駅周辺のまちづくりについて

※ かつて行なった一般質問より掲載します。データは若干古いものとなりますが、現状に大きな変化はないと思います(表)。

西武鉄道株式会社の発表によれば、2016年度の秋津駅利用者は1日のべ約8万人であり、西武線全線92駅のうち9番目の乗降人員を誇っています。

しかし、同駅は、所沢市と東村山市、清瀬市の市境にあり、こうしたことからか、本市には駅を中心としたまちづくりに関し、何ら計画的なものをもっていません。関係市との連携についても、個別課題を解決するための協議は断続的に行われているようですが、まちづくりをトータルで検討する組織や枠組みはないようです。

中村とおるは、駅を利用される方や周辺にお住まいの方の利便性向上はもちろん、予定されている北秋津・上安松区画整理事業や、これから行われるかもしれない下安松の市街地整備成功のためにも、まずは、関係市との連携を加速させ、秋津駅周辺のまちづくりや魅力づくりを図るべきとの観点から、同駅を中心としたのまちづくりの可能性と関係市の連携の必要性について質問しました。

経営企画部長の答弁は「(関係市との)意見交換など、まずは始めてみたい」とのことでした。

秋津駅周辺のまちづくりに関しては、西武池袋線とJR武蔵野線の相互乗り入れや、本市の管理する駐輪場が東村山市域にあり、不安定な運営状態となっていること等、すでにいくつかの課題も存在します。この問題については今後も発言を続けたいと思います。

COOL JAPAN FOREST構想の検討状況は?【地方創生に関する特別委員会その1】

COOL JAPAN FOREST 構想とは、株式会社KADOKAWAが旧所沢浄化センター跡地(東所沢和田)に建設を予定している施設(*1)を中心に、東所沢地域のまちづくりを進め、所沢の魅力である「みどりと文化」を活かしつつ、同社の情報発信力や企画力によって多くの人を呼び込み、地域活性化や産業振興につなげようとするもので、同社と所沢市との共同事業として進めているものです。

市議会は、2月9日、同構想の調査・研究を所管する地方創生に関する特別委員会を開き、現在の状況について担当課に説明を求めました。委員会では以下のことが明らかになりました。

  • 本年度中に構想の企画案を策定する予定
  • 株式会社KADOKAWAが行う施設建設については、平成32年の東京オリンピック・パラリンピックに間に合う完成を目指しており、平成29年に工事を開始し、平成31年に竣工する予定
  • 所沢市の対応としては、施設の完成にあわせて周辺交通環境の整備等を進め、完成後は同施設を活用した連携事業や広域的な観光連携等に取り組む
  • 構想の推進体制は、藤本正人所沢市長と角川歴彦株式会社KADOKAWA取締役会長がジェネラルプロデューサーとして構想全体の統括役となり、幅広い分野で活躍されている9名(*2)がアドバイザリーボードとして、構想の方向性や事業コンセプトに助言を行う
  • アドバイザリーボード会議では、主に図書館、美術館、博物館の融合施設である文化コンプレックスのコンセプト等について議論され、施設の機能やデザイン、内部空間のコンセプト等については、概ね了承されている
  • 株式会社KADOKAWAの事業担当者と所沢市の担当者で構成する推進会議TEAM STARTには、
    • 文化コンプレックスの規模を拡大した場合の容積率等の規制緩和の可能性
    • 東所沢駅前までの沿道について一体的なイメージでの街並み整備
    • コンポストセンター跡地へのバス停や駐車場の設置
    • 東川河岸の親水公園としての整備
    • 道路標識等への外国語表記の設置
    • 構造改革特区制度を活用したIT産業特区化の推進
    • 施設内への出張所や郵便局の設置
    • 図書館・美術館・博物館の公共運営化
    • 衛生センターの敷地の一部を活用した自由に通行できる「緑道」の整備

等が提案されており、それぞれの案について関係法令との整合性や本市施策としての有効性・実現可能性について検討を行っているとのことです。

年間200万人の来客数を見込む施設であり、今後の東所沢地域のまちづくりに大きな影響を与える構想です。大いなる期待をもつと同時に、関連施策への税金投入にはその有効性を判断しながら慎重に対応していきたいと考えています。

(*1) 書籍に関する製造・物流施設と図書館・美術館・博物館の融合施設(文化コンプレックス)のほか、ホテルや会議場、インターネットを活用したスクール等も計画されています。

(*2) 荒俣宏氏(作家)、隈研吾氏(建築家)、南條史生氏(森美術館館長)、松岡正剛氏(編集工学研究所所長)、後藤高志氏(株式会社西武ホールディングス代表取締役社長)、増田宗昭氏(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社代表取締役社長兼CEO)、山本マーク豪氏(コンティニューム株式会社代表取締役)、中川雅寛氏(株式会社乃村工藝社取締役)、川上量生氏(カドカワ株式会社代表取締役社長)の9名。

都市計画道路東京狭山線について【平成27年12月定例会一般質問より】

東所沢周辺地域といえば、浄化センター跡地(東所沢和田)への株式会社KADOKAWAの進出や地下鉄大江戸線の延伸が何かと話題ですが、都市計画道路東京狭山線の整備についても地域の関心の高いところであり、地元選出の議員として、同路線の工事の進捗状況については毎年のように質問に採り上げています。


中村とおる 平成25年3月に堀兼工区(県道川越所沢線新開交差点から堀兼神社(北)交差点)が開通し、未整備区間は下安松工区(東所沢和田1丁目交差点から清瀬橋)のみとなった。現在の工事の進捗状況を伺う。

溝井建設部長 川越県土整備事務所に確認したところ、平成26年度より本格的な工事に着手しており、27年度には東所沢和田1丁目交差点の改良工事と1丁目地区の土留め基礎工事の2箇所、下安松地区では現在の道路の拡幅工事を施工しており、さらに土留め基礎工事2箇所を予定しているとのことだ。

中村とおる 平成25年9月に開かれた県による地元説明会では、下安松工区の供用開始時期を平成30年度としていたが、工事は予定通り行われているのか。

溝井建設部長 下安松工区は平成26年度より「首都圏を結ぶ幹線道路の整備」として県の主要な施策に位置づけられ、優先的な予算配分がなされており、工事は計画通り行われている。供用開始時期については、平成26年度から5年程度での完成を目指しているとのことだ。

中村とおる 清瀬橋で東京狭山線と接続する都市計画道路東村山3・4・15の2号の概要や現在の工事の状況、供用開始時期について確認したい。

溝井建設部長 同路線については東京都建設局北多摩北部建設事務所にて平成18年より事業を施行している。施行延長は清瀬橋から清瀬市のけやき通りまでの約930メートルで、道路幅員は18メートルとなっている。供用開始時期は平成29年度末を目指しているとのことだ。

中村とおる 東京狭山線の整備に伴って市が行わなくてはならない周辺環境整備もあろうかと考える。どのような認識をもっているのか。

溝井建設部長 下安松工区の一部は高架方式で施工され、既存の市道の上をまたぐ形となる。そのため、高架下において十分な高さを確保できない市道については高さを確保できる位置に道路を付け替え変えるため、県と協議を行っている。また、現在拡幅整備を進めている市道1-715号線(通称「馬坂」)については、馬坂の整備が先行して完了すると、抜け道として大量の交通流入が予想されることから、東京狭山線の開通時期に併せての完了を予定し、整備しているところだ。