増加する行政回覧【平成25年9月定例会 一般質問より】

自治会の役員の方々からよく聞く市役所への苦情のひとつが行政回覧の問題です。「とにかく数が多い」「(回覧を)配ったばかりなのに、また(別の回覧の配布を)頼まれる」というものです。こうしたお声を受け、平成21年12月定例会でも同様の質問をしましたが、その後の検証を含めて今回もこの問題を採り上げました。

結論からいえば、地域に配布される行政回覧は依然として増加しており、21年当時、年間約350件であったものが、現在では約400件となっているようです。さらに、市役所が把握していない文書(地元の「学校だより」等)を含めると、これ以上の件数が地域に回覧されていることになります。

21年12月定例会における担当部長の答弁は「回覧文書が増えていることは認識している。広報と重複していないか等、各所管に回覧に適する文書かどうかの精査をお願いしていきたい」という主旨のものでしたが、状況はあまり変わっていないようです。

質問では、件数の縮減を図ることだけでなく、回覧の読み手や受け手の視点に立った改善を市に求めました。言うまでもなく、回覧は「配ったら終わり」というものではなく、読まれて初めて意味があるものだからです。

担当部長の答弁は「件数が多く、自治会のみなさんから負担が大きいとの意見をいただいている。縮減に向けて(市役所)内部でも様々な検討を行っており、自治連合会等の意見も参考にしながら、改善に努めていきたい」というものでした。

市役所が保有し、市民に知らせるべき情報は多岐にわたりますが、インターネットの発達等によりその提供方法も多岐にわたります。行政回覧についても情報を「どのように伝えるか」という観点からの適宜適切な改善が求められています。

市が所有する自治会集会所用地の貸付料について【平成25年9月定例会 一般質問より】

9月定例会で行った一般質問の内容を順次お知らせします。まずは、市が所有する自治会集会所用地の貸付料についてです。

現在、市内には281の自治会・町内会があり、137の集会所を使用して活動しています。これらの集会所が建っている土地の所有者の状況は、27施設が自治会、45施設が市、65施設が民間他となっています。

自治会や民間が所有する集会所用地については所沢市固定資産税・都市計画税減免取扱基準により、固定資産税・都市計画税が免除されている一方で、市有地については所沢市普通財産貸付基準に基づき、固定資産税課税標準額を用いた貸付料が徴収されています。

市有地の貸付料平均額は年268,854円となっており、自治会によって加入世帯数や年会費が異なり、また、集会所用地の面積も様々であることから一概にはいえませんが、決して潤沢な予算で運営されているとはいえない自治会にとって、この貸付料の支払は重い負担となっています。ちなみに貸付料の最高額は緑町町会の年586,848円とのことです。

質問では、自治会のおかれている近年の厳しい状況を確認しつつ、土地所有者の違いに由来する集会所維持にかかる費用の不均衡解消や、貸付料が固定資産税を基準に設定されていることについての疑問を訴えました。

土地所有者がどうであれ、集会所を使用して自治会が行なっている活動にそう変わりはなく、上述の減免取扱基準の示すとおり「住民の福祉の向上に資する」ことを行なっているはずです。それにもかかわらず、自治会や民間が所有する集会所用地については固定資産税・都市計画税が免除される一方で、市有地については貸付料が徴収されているのです。この状況は改められなくてはなりません。率直にいって、固定資産税・都市計画税を免除することができるなら、市有地の貸付料も免除すべき(少なくとも現状より引き下げるべき)と考えます。

また、貸付料が固定資産税を基準に設定されていることにも疑問が残ります。固定資産税はその資産に価値を認めて課する税ですが、自治会活動という現状の用途と集会所用地の資産価値は直接関係がないと考えられますし、繰り返しになりますが、資産価値の高い土地であれ低い土地であれ、それらの土地を用いて行なっている自治会活動にそう違いはないからです。

質問の答弁では、市長から「深く検討する」との発言がありました。

現在、市は、自治会加入率低下という現状をふまえ、自治会をバックアップするための条例制定を検討しており、貸付料の免除・引き下げもこうした姿勢と合致すると考えます。早急な改善が求められます。

平成20年第4回(12月)定例会報告【一般質問その1】

● 市政情報の発信・共有について

中村とおる:
12月1日、市のホームページがリニューアルされた。ページデザインの統一やコンテンツ評価機能の追加など、今までのものに比べ、改善がみられたことは評価できる。また、今年度より市長のタウンミーティングがはじまり、市民・市役所間の双方向性を確保し、より身近な形での広報・広聴活動が行われるようになったことも大変意欲的な試みだと考える。

しかし、市の広報紙「広報ところざわ」では、「第2一般廃棄物最終処分場の候補地の選定について」や「まちづくり基本条例について」の記事など、「市民とともに考える」という明確な姿勢を打ち出しているものがみられる一方で、財政事情の公表に関する記事など、無味乾燥とした記事も散見されるのが現状だ。

広報とは、英語でpublic relations(=PR)すなわち「市民との良好な関係づくり」である。市民との協働、あるいは、組織を取り巻く利害関係者と良好な関係を保つことが組織の発展につながるという意味も込められた「ガバナンス」という言葉が多くの場面で語られるようになった現在、広報に係る事業を含め、市政情報の発信・共有について戦略的かつ根本的な見直しが必要になっているのではないかと考える。

(1)市政情報の発信・共有についてどのような考えをもっているのか。

(2)既存の広報事業をどう評価しているのか。

市長:
(1)地方分権の進展にともない、住民の自治意識も高まり、市民に対する情報提供や市民と市役所との情報共有がこれまで以上に重要なものとなっていると認識しており、策定した第4次行政改革大綱でも大きな柱のひとつとして「市民との新たな関係の構築」を掲げ、市民全体の合意形成が図られるような仕組みの構築を重要な課題としている。今後は、情報の種類や受け取る側の立場を考慮し、より効果的な広報戦略をもとに情報の発信を行っていく必要があると考える。また、「伝えた」ということだけでなく、「伝わっているか」ということに対して十分な検討を行い、工夫を凝らした情報提供を行っていきたい。

総合政策部長:
(2)広報紙の発行やホームページの運営など個々の事業については行政評価で成果指標を設け、市民にも公表している。また、市民カメラマン制度の導入など情報提供・共有に市民参加が行われている点は一定の評価がなされてもよいと考える。しかし、これまでの広報活動は、情報の公開性や正確性を重視するあまり、わかりやすさや「相手が求めているものは何か」という視点が十分でなく、今後検証していく必要があるのではないかと考える。

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