都市計画道路東京狭山線について【平成27年12月定例会一般質問より】

東所沢周辺地域といえば、浄化センター跡地(東所沢和田)への株式会社KADOKAWAの進出や地下鉄大江戸線の延伸が何かと話題ですが、都市計画道路東京狭山線の整備についても地域の関心の高いところであり、地元選出の議員として、同路線の工事の進捗状況については毎年のように質問に採り上げています。


中村とおる 平成25年3月に堀兼工区(県道川越所沢線新開交差点から堀兼神社(北)交差点)が開通し、未整備区間は下安松工区(東所沢和田1丁目交差点から清瀬橋)のみとなった。現在の工事の進捗状況を伺う。

溝井建設部長 川越県土整備事務所に確認したところ、平成26年度より本格的な工事に着手しており、27年度には東所沢和田1丁目交差点の改良工事と1丁目地区の土留め基礎工事の2箇所、下安松地区では現在の道路の拡幅工事を施工しており、さらに土留め基礎工事2箇所を予定しているとのことだ。

中村とおる 平成25年9月に開かれた県による地元説明会では、下安松工区の供用開始時期を平成30年度としていたが、工事は予定通り行われているのか。

溝井建設部長 下安松工区は平成26年度より「首都圏を結ぶ幹線道路の整備」として県の主要な施策に位置づけられ、優先的な予算配分がなされており、工事は計画通り行われている。供用開始時期については、平成26年度から5年程度での完成を目指しているとのことだ。

中村とおる 清瀬橋で東京狭山線と接続する都市計画道路東村山3・4・15の2号の概要や現在の工事の状況、供用開始時期について確認したい。

溝井建設部長 同路線については東京都建設局北多摩北部建設事務所にて平成18年より事業を施行している。施行延長は清瀬橋から清瀬市のけやき通りまでの約930メートルで、道路幅員は18メートルとなっている。供用開始時期は平成29年度末を目指しているとのことだ。

中村とおる 東京狭山線の整備に伴って市が行わなくてはならない周辺環境整備もあろうかと考える。どのような認識をもっているのか。

溝井建設部長 下安松工区の一部は高架方式で施工され、既存の市道の上をまたぐ形となる。そのため、高架下において十分な高さを確保できない市道については高さを確保できる位置に道路を付け替え変えるため、県と協議を行っている。また、現在拡幅整備を進めている市道1-715号線(通称「馬坂」)については、馬坂の整備が先行して完了すると、抜け道として大量の交通流入が予想されることから、東京狭山線の開通時期に併せての完了を予定し、整備しているところだ。


 

地下鉄大江戸線(12号線)の東所沢駅への延伸について(寄稿)

先日、ローカル紙に寄稿して掲載された大江戸線の東所沢駅延伸についてまとめた文章です。この件については市内東部にお住まいの方々の関心も高く、私も度々質問で採りあげています。

今回は私の主張というより、現状をまとめることを優先して書かせていただきました。

以下、掲載します。

本市の中長期的課題のひとつである都市高速鉄道12号線延伸の現状について整理しておきたい。なお、とくにことわりがない限り、具体的な年次や数値等は、新座市・練馬区・清瀬市・所沢市・狭山市(準会員)で構成する都市高速鉄道12号線延伸促進協議会が2005年に作成した「東京12号線延伸に向けた地域整備構想基礎調査報告書」をもとに論じるものとする。

延伸の経緯

12号線の延伸については、1985年の国の運輸政策審議会答申で「大泉学園町以西の新座市方面を対象に今後新設を検討すべき方向」とされ、2000年の同審議会答申では「光が丘から大泉学園町までは2015年までに整備着手することが適当」「大泉学園町以西の延伸については、鉄道不便地域の解消が期待されるものの現段階では輸送需要が十分ではないため、今後の沿線開発による輸送需要の動向等を見つつ今後整備について検討すべき路線」とされ、その方向として「武蔵野線方面」との位置づけがなされた。次期の答申は、2000年の答申の目標年次が2015年であることから、同年に出されることが予想される。

実際の整備状況は、2000年の答申で「整備着手することが適当」とされた光が丘―大泉学園町間について、12号線の導入空間となる都市計画道路補助230号線(笹目通り―大泉学園町間)の整備がすでに始まっており、笹目通り―土支田通り間は街路整備事業が進行中、土支田通り―外環道間でも今年度から用地買収が開始されている。ただし、本年度より事業化が予定されていた外環道―大泉学園町間は都財政の影響等から予算計上が見送られている。

延伸部の建設コストは、光が丘―大泉学園町間が531億円、大泉学園町―東所沢間が1,117億円、延伸部全線で1,649億円と想定されており、採算を確保するためには、新座・清瀬・所沢市内の延伸部4駅(新座南部・新座中央・清瀬北部・東所沢)周辺に、通常予測される人口の増減とはべつに、45,000人を定着させる必要があるとしている。

東所沢は決まっているのか

このような状況のなか、東所沢駅については延伸後の目標利用者数を15,500人/日と設定。この目標を達成するためにはさらに周辺に開発人口規模6,700人の市街地整備が必要となり、既成市街地の高密度利用や都市計画道路和田本郷線北側の市街化調整区域を市街化区域へ編入することが提案されている。

JR東日本のホームページによれば、東所沢駅の昨年度利用者数はすでに14,573人/日であり、今後の周辺人口の増減を考慮するとしても、新たに開発人口規模9,000人以上の市街地整備が求められる他の3つの新駅に比べれば、採算を確保するためのハードルは決して高くはない。しかし、ここで留意しなければならないのは、答申において検討すべき延伸の方向は「武蔵野線方面」とのみ位置づけられたことであり、延伸先が東所沢駅と決まったわけではないということである。

新座市の状況

都市高速鉄道12号線延伸促進協議会は「東所沢駅までの一体的整備」を都や県に要望し続けているが、協議会を構成する各自治体には、12号線延伸の必要性や実現可能性に対する判断の違いからか、それぞれべつの思惑もあるようだ。とりわけ、協議会の会長市を務める新座市は、要望活動の先頭に立つ一方で、東所沢駅への延伸が難しくなった場合を想定し、新座市内への1駅延伸等を検討している様子もうかがえる(※)。

以下、2008年新座市議会第3回定例会における須田健治新座市長の発言である。

「都市高速鉄道12号線でありますけれども、東京都の石原知事の考え方が最近は変わってきておりまして、東所沢駅まで都営地下鉄12号線、大江戸線を延ばす必要はないのではないかと、こんなことを機会をとらえて発言しているようであります。東京都交通局のほうからもお聞かせをいただきました。(中略)新座市として、特に私はこの延伸促進協議会の会長をやっておりますので、東所沢まで延ばしてください、一体整備をお願いしますという運動をしていながら、片方で東京都側が、東所沢まで延ばす必要はないというお話を聞いて、だったら1駅だけつくってくれないかと、練馬区の大泉学園町に加えて新座市に1駅だけお願いしますという、そういうお願いをしていいのかどうかというのが1つあります。つい今、言ってしまいましたけれども、これからのこの延伸協議会の運動、活動自体をどのように方向転換していくかということも含めて、やはり考えていく時期に来ているのではないかなというふうに思っております。練馬区側、東京都側とすれば、これは陰の話ではありますけれども、1駅延ばすことについては検討してもいいのではないかと、こういう意見もございますので、新座市としてもぜひ東京都側と、あるいは練馬区と協議をさせていただきながら、何とか新座市方面への延伸へ向けて今後とも努力していきたい、こういう考え方でございます。」

昨年の3月定例会の一般質問では、この新座市長の発言をとりあげ、本市のおかれている現状や要望活動に対する当麻市長の決意を質した。市長からは、新座市長の発言の趣旨はわからないとしながらも、「今後も協議会を通じて東所沢駅までの延伸を強く要望していく」という発言があったが、現下の厳しい財政状況等を考えれば、新座市長の言うように要望活動自体が転換期にあることも事実であろう。また、今年度の新座市長の施政方針によれば、策定中の第4次基本構想総合振興計画との整合性を図るため、都市計画の基本的な方針である都市計画マスタープランを見直し、12号線延伸に向けた新たな拠点を市中央部に整備するための具体的なまちづくり構想を策定するようでもある。延伸の今後に対する新座市の真意を判断するうえでは、この構想が東所沢駅までの延伸を前提とするものになっているのか、あるいは新座市内までの延伸に止まるものなのか、東所沢駅までの延伸を促進させるものなのか、あるいはそうではないのか等、策定状況や内容についても注視しなければならない。

所沢市にできること

上述のように、次期の答申は2015年に出されることになるが、それまでの間に協議会構成市の足並みが乱れてしまっては、東所沢駅までの延伸は覚束ない。当然のことながら、まずは協議会が今後とも一体となって東所沢駅までの延伸を要望することが大前提となる。

また、本市の都市計画マスタープランである「まちづくり基本方針」を見直すことも必要である。現方針は東所沢駅周辺を「地域生活拠点」と位置づけており、12号線延伸により将来の交通結節点となることを想定していないからである。現方針の目標年次は2016年であり、新方針の策定を待っての位置づけ変更では、次期の答申に間に合わない。次期の答申において東所沢駅までの延伸を決定づけるためには、新座市と同様、現方針の見直しが絶対である。

いずれにしても、様々な要望活動が功を奏し、2015年の答申において東所沢駅までの延伸が決定したとしても、今までの例にならえば、開業は最短でも25年から30年後のことと予想される。

※ ここでは詳述しないが、2009年新座市議会第3回定例会において、榎本賢治新座市議会議員は、東所沢駅ではなく将来的な新座駅への延伸を提案している。

以上

第3回(9月)定例会報告【その2】

9月定例会が終了しました。数日に分けて今議会の報告をしていきたいと思います。

まずは、16日に行った一般質問のうち、交通需要マネジメントについての概要です。

・ 交通需要マネジメントの導入について
(中村とおる)
交通需要マネジメント(Transportation Demand Management : TDM)とは、個人や企業が交通行動を見直し、自動車の効率的利用や、バスや鉄道などの公共交通への利用転換、時間や経路の変更などを進めることにより、交通混雑の緩和を図り、環境の改善や地域の活性化を目指す取り組みをいう。

道路混雑は、本市においてだけではなく、多くの都市に共通した問題であり、その解決のために、日本全国で永続的ともいえる投資がなされてきた。しかし、自動車の交通量は道路整備を上回るペースで増加し、現在でも、渋滞はなかなか解消されていない。また、住宅、商業施設などが高密度に集積している都市部では、用地買収に必要な費用、関係者の合意形成の面から、交通需要に応える迅速な道路整備は困難となってる。

こうしたことから、従来の、自動車の交通需要を所与のものとみなす交通政策にはかなり疑問が呈されるようになり、インフラの整備によって交通容量を拡大するばかりではなく、自動車の交通需要それ自体を適正なレベルにコントロールしようとするTDMが注目されるようになってきた。

TDMの具体的な施策としては、郊外の駐車場に車を置き、そこから都心部までバスや鉄道などの公共交通を利用するパークアンドライド、自転車利用の促進、物流の効率化、混雑する地域や時間帯の道路利用に対して一定の課金を行うロードプライシング、カーナビゲーションに搭載されているVICSなどの有効活用による情報システム高度化の推進などが挙げられる。

既に、鎌倉市などにおけるパークアンドライドの導入、松江市の中心市街地での車線数削減による歩行幅員拡大、コミュニティーバスの先駆けである武蔵野市のムーバスなど、都市の交通を総合的に考える施策が各自治体で行われている。

県でも、平成13年に『彩の国交通需要マネジメント行動計画』を策定し、交通混雑の緩和、環境負荷の低減を目指し、人と環境にやさしい交通体系の構築が進められているようだ。

また、TDMは、交通問題の解決方策として登場してきた施策であるが、地方都市における中心市街地の活性化にも関連があり、路面電車などの公共交通の復権、違法駐車によって占有された街路の望ましい使い方、歩行者にやさしいまちづくりとは何か、などといったことが併せて検討されている。

TDMに対する本市の見解と交通政策の現状は。

県の施策『彩の国交通需要マネジメント行動計画』をどのようにとらえているのか。

(市長)
道路混雑は「いまや世界の都市に共通した問題である」といっても過言ではない。道路整備を上回るペースで増加する自動車交通量は、地球温暖化や健康被害などの深刻な環境問題を引き起こすばかりでなく、都市生活者の求める安全・安心な日常生活にも、大きな影響を及ぼしている。

自動車の効率的利用や交通手段の変更、交通発生源の調整などの方法が提案されているが、道路混雑を根本的に解決するためには、まちづくりの視点から、交通体系を考慮した市街地の形成も重要な要素ではないかと思っている。

都市計画道路の築造を計画的に進めることにより、市街地の道路混雑の緩和にも一定の成果があがるものと期待している。

昨年策定した「所沢市省エネルギー・ビジョン」の中でも、運輸部門のエネルギー使用量の削減をひとつの目標に掲げ、諸施策の検討を進めているところでもある。

「彩の国交通需要マネジメント行動計画」については、県が交通需要マネジメントを推進していくにあたって、重点施策を明らかにすることを目的に策定したものと認識している。

本市としても、省エネの視点やバリアフリーの視点から、様々な施策・事業に取り組んでいるが、提案を踏まえ、総合的な交通政策の展開にも目を向けていく必要があると認識している。

(中村とおる)
現状の交通政策は、都市基盤の整備に重点を置いて進められているようだ。しかし、道路の新設・拡幅が新たな自動車の流入を呼び、また渋滞を引き起こしている感もある。

今後は、道路や駐車場などの交通施設の整備を行うとともに、どう自動車を抑制していくかという施策も必要になってくるはずだ。いわゆるハード面のまちづくりを推進していくとともに、TDMにみられるソフト面の交通政策も検討しなければならないと思うが、交通政策を総合的に捉えていくための組織体制について、どう考えるのか。

(総合政策部長)
現状、都市基盤整備はまちづくり計画部や道路公園部が、交通安全は市民経済部が、運輸部門や環境に関することは環境クリーン部が所管して行ってる。今後は、関係部局と連携と協議を行い検討していく。

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