よく頂くご質問なので。
前回のエントリーにも書かせていただきましたが、「78億円」は冷房工事と暖房工事を合算した費用であり、冷房工事のみにかかる費用としては正確でありません。昨年12月11日に開かれた総務常任委員会でも以下のようなやりとりが行われています。
村上委員「先ほど参考人の方が懸念をしていたこと、78億というこのお金について、除湿工事、復温工事の関係はどうなのか。あたかも除湿工事だけで78億円かかるというような説明だったが、復温工事のみの場合だったらこれだけの金額だが除湿工事をするとこれだけになりますというその差額というのが議場ではあまり明確になっていなかったと思う。広報のときに大きな課題になってくると思うので、ご答弁いただきたい。」
轟文書行政課長「教育施設課に確認いたしましたところ、復温と除湿を合わせた工事費であり、設計などは分けていないということでした。」
(中略)
谷口委員「もともとの暖房工事がいくらで、冷房工事を追加するといくらになるという金額を明らかにして広報しないと、本当の姿は伝わらないと思うが、いかがか。」
能登総務部長「広報紙につきましては、紙面も限られておりますので、どれだけの内容を盛り込めるかということがあります。意見書にしても16ページありますので、全部掲載できるわけではありませんし、請求要旨につきましても全てを掲載できるかわかりませんので、今後検討してまいります。」
谷口委員「全体像を把握するためにも、暖房工事を単独で行った場合はいくら、冷房工事を追加した場合はいくらで、その差額が実質冷房工事の費用ということで、非常にシンプルな話だと思うが、いかがか。」
能登総務部長「内容につきましては、詳細まで載せられるかどうかわかりませんので、今はお答えできません。」
本条例案の採決に際し、谷口雅典議員は、暖房単独の設備と冷暖房の設備は基本的に異なるので、単純な切り分けはできないと前置きした上で、市からのデータをもとに、予定されていた狭山ケ丘中学校の冷暖房工事費の約45%が冷房工事分と推計しています。となると、78億円の約45%である35億円が28校の冷房工事の費用となります。当然、ここに国の補助金が入りますので、同様に計算すると、実際の市の負担分は13億円から14億円になります。仮に、10年かけて整備するとすれば、単年度で1億3,000万円から1億4,000万円の支出となります。
また、平成23年12月定例会の教育総務部長答弁によれば、近隣他市のように、防衛省の補助を受けず、リース方式により全ての学校の普通教室(防音校舎以外の校舎も含む)にエアコンを設置した場合、総額20億円となり、10年リースであれば年間2億円との試算もあります。
今回賛否を問われている「防音校舎に関する平成19年度以降の整備方針(リンク先下段)」には、全ての防音校舎に一気に冷房を設置するとは書かれていません。
極端な言い方ですが、「単年度に78億の支出」ととらえるか「年間2億円の支出」ととらえるかでずいぶん印象が異なる気がします。
市からも住民投票に関する特集号が配布されましたが、以上のような総務常任委員会での議論があったにも関わらず、あまり説明がなされませんでした。大変残念です。