ごみ集積所に関するトラブルについて〔令和4年第2回(6月)定例会 一般質問 その1〕

議会報告会にご参加いただいた方からのご意見をもとに行った質問だ。

ごみ集積所に関するトラブルには様々なケース(たとえば、ここが詳しい)があり、「相談」とまではいかなくとも、時折、耳にすることがある。これらのうち、今回は「既存のごみ集積所を使えない、使わせてもらえない」ケースをとりあげた。

質問では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)上、家庭ごみの収集・運搬・処分は市町村の義務であることをまず確認し、現状の取り組みを質した。

この内容が市議会だよりに掲載されたのち、市民から数件ご連絡をいただいた。下述の通り、表に出るトラブル件数は少ないが、実際には多くの方がこうしたことに悩んでいると思われる。行政にはしっかりと対応いただきたい。


中村とおる:廃掃法において、家庭から排出されるごみの収集・運搬・処分は誰が行うこととなっているのか確認させていただきたい。

環境クリーン部長:廃掃法第6条の2の規定に基づき、市町村が行うものとなっている。

中村とおる:廃掃法においてごみ集積所の設置・管理はどのように規定されているのか。

環境クリーン部長:土地又は建物の占有者には市町村が行うごみの収集・運搬・処分への協力義務があるが、ごみ集積所の設置・管理についての規定はとくにない。なお、本市では「所沢市ごみ集積所設置基準」を定めて対応している。

中村とおる:ごみ集積所の設置・管理の実態について教えていただきたい。

環境クリーン部長:原則、集積所の利用者が自ら設置し、管理しているほか、分譲住宅やマンションを建設する不動産会社等が設置し、管理会社が維持管理を行なっている場合もある。

中村とおる:ごみ集積所に関するトラブルだが、市が把握している件数と内容について教えていただきたい。

環境クリーン部長:昨年度は21件だ。内容はごみ集積所が設置されていた土地が売却されたことによる移設先に関することや、引越しされてきた方から利用できる集積所に関すること、戸建住宅で今まで利用していたアパートの集積所が管理会社の変更により利用できなくなった等だ。

中村とおる:「既存のごみ集積所が使えない、使わせてもらえない」といった内容のトラブルはどのくらいあるのか。

環境クリーン部長:21件のうち5件だ。

中村とおる:過日開催された議会報告会で参加された方から次のようなご相談があった。「昨年、市内の戸建に引っ越した。引っ越しの挨拶の際、自治会の班長から、私道沿いのゴミは収集してもらえず、公道沿いの収集班に入れてもらわなくてはならないのだが、近くの班にはもう入れない。500mほど離れた班なら入ることができるかもしれないが、その班のメンバー全員の許可を取ってくれ。うちの隣の方は道路を渡って違う町内まで捨てに行っていると聞かされた。驚いて収集管理事務所に問い合わせると、『以前の居住者が捨てていた場所に捨ててもよい』と言われ、そのようにしていたが、半年ほど経ったある日、近所の方々4人に囲まれ、あれこれ言われてしまった。このことを機に市内の友人などにも話を聞いたところ、収集にまつわるトラブルが多いことに改めて驚かされた。集積所の掃除当番もトラブルの原因で、家庭の事情で掃除ができなくなったとメンバーに告げた途端、もうここには捨てるなと言われ、怖くて毎回クリーンセンターまで捨てに行っているという方もいる。トラブル回避のために戸別収集の実施を提案したが、お金がかかるので無理、収集事務所でお答えできるのはここまで」とのことだ。改めてお聞きするが、こうしたトラブルがあった際、どのような対応をしているのか。

環境クリーン部長:基本的には利用者間での話し合いによる調整をお願いしているが、解決が難しい場合には、職員が調整に入り、現地確認等を行いながら解決に向けて対応を図っている。

中村とおる:所沢市ごみ集積所設置基準には以下の記述がある。

  • ア 新規設置は、『原則として』6戸以上とする。
  • イ 6戸未満の場合、既存のごみ集積所の共同使用を基本とし、共同使用の承諾が得られない場合に限り、収集管理事務所と協議の上、ごみ集積所を設置することができる。
  • ウ ア又はイにより、設置する場合は、ごみ集積所の専用用地を確保すること。
  • エ ごみ集積所の設置が困難な場合又は近隣のごみ集積所の共同使用が困難な場合等は、自己での処分(各クリーンセンターへの自己搬入等)について考慮すること。
  • オ 設置に当たっては必ず利用者以外の近隣住民等の承諾を得ること。

収集管理事務所との協議は必要となるが、この規定は戸別での集積所の設置を必ずしも排除しないという趣旨か。

環境クリーン部長:ごみ集積所の設置は、原則として6戸から申請を受付けている。6戸未満の場合も、地域の状況等を踏まえて柔軟な対応をしているが、収集業務の効率性や市全体の公平性の観点から1戸でのごみ集積所の設置申請は受付けていない。

中村とおる:市民には集積所にごみを捨てる権利があるのか。また、ごみを捨てさせない権利があるのか。

環境クリーン部長:市民にもともと集積所にごみを捨てる権利や、捨てさせない権利というようなものがあるものではないと考えている。集積所は、原則、利用者の方々が設置し、維持管理を行うものとしており、適切な利用がなされる必要があるものと考える。

中村とおる:市民にはごみを捨てる権利があると考える。ごみを捨てることができないと、健康で文化的な最低限度の生活が営めないからだ。一方、ごみを捨てさせない権利もある。なぜなら、集積所のほとんどは私有地にあるからだ。ごみ集積所に関するトラブルはこれら権利同士の対立だ。

上述の通り、ごみ収集は市の義務であり、市民は市の役務(行政サービス)の提供をひとしく受ける権利を有している(※1)。だから、これら権利同士が対立した際には最後まで調整しなくてはならないし、それができない場合には、市で集積所を設置することや戸別収集を行うべきだ。ごみ集積所設置基準は「原則6戸以上」としているが、「原則」がついていて、文言上、1戸でのゴミ集積所の設置を排除していないのはこうした理由からだと考える。
 
相談者の話のなかで、毎回クリーンセンターまで捨てに行く方の話があった。この方は1年間に何回クリーンセンターに行かなければならないのか。週2回捨てに行くとして、年間100回以上、雨の日も風の日も行かなくてはいけない。車を運転できない人はどうするのか。市民がこうした状況にならないように対応いただきたい。

相談者からは、「せめて市で集積所の指定ぐらいはできないか」との意見があったがどうか。

環境クリーン部長:市から利用するごみ集積所を指定することは行っていないが、利用に関して相談があった場合には付近の集積所や管理者を紹介する等、相談者に寄り添いながら解決に向けて対応している。

中村とおる:ごみ集積所に関するトラブルを未然に防止するために、広報や市ホームページ、「わけトコっ!」(※2)、集積所看板等で周知の工夫はできないか。

環境クリーン部長:研究していく。

わけトコっ!画像

一般質問の後、ごみ集積所に関するトラブルについて、相談を促す画像が「わけトコっ!」に掲載された。


※1 地方自治法第10条第2項

※2 収集カレンダーやごみ分別事典、ごみの出し方がわかる所沢市公式アプリ

市役所が使用する紙の削減について【令和4年第1回(3月)定例会 質疑及び一般質問(その6)】

近年、「働き方改革」「DXの推進」が叫ばれ、コロナ禍の影響もあり、民間においては「リモートワーク」もかなり進んでいる。

政府のみならず、本市を含む自治体はこうした取り組みの推進を民間にお願いしなくてはならない立場にあると思うのだが、「実際、所沢市役所では進んでいるのか」というと、劇的に変化しているという話は聞こえてこない。もちろん、全く着手していないわけではないが……。

こうした現状にあって、上述の施策に市役所も一生懸命取り組んでいるとPRでき、市民から「市役所の仕事のやり方も変わったな」と思っていただけるのが、紙の削減だと考えた。

質問にあたっては、事前の準備不足で、たとえば削減する紙の量を、市役所が排出する紙ゴミの量にするのか、それとも発注する紙の量とするのか等、詳細な検討を行っておらず、議場において詰め切ることができなかった。ただ、今後の市内のゴミ排出抑制策の一つとして、ゴミ有料化が検討されている以上、市役所自らが排出するゴミ量を大胆に減らしていく必要はあると考える。また、マチごとエコタウン推進計画においても紙類の「分別」「資源化」については、以下の通りの記述があるが、削減についての記述はない。働き方改革やDXの推進に合わせて、紙の使用を削減する取り組みについても計画的に行っていくべきと考える。


中村とおる:市役所が出す紙ゴミの量はどのくらいか。

環境クリーン部長:庁内古紙回収の数量では令和2年度実績で合計約100トンとなる。

中村とおる:経年でみると増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのか。

環境クリーン部長:過去5年の傾向では、多少の増減はあるが、全体として約20トン削減しており、減少傾向だ。

中村とおる:市役所が出す紙ゴミに関して、マチごとエコタウン推進計画ではどう扱っているのか。

環境クリーン部長:重点実施計画において、市が自ら「ごみ分別を徹底するとともに、紙類の分別排出に努め、資源化を推進します」とうたっている。

中村とおる:市役所から出る紙ゴミを削減する方針・計画はあるのか。

環境クリーン部長:直接的な方針や計画は定めていないが、両面印刷や裏紙の利用、ペーパーレス会議の開催、配布物の削減等を推進し、各所属で工夫している。

中村とおる:消せる印刷で紙を再利用するコピー機やコンピューターを使った電子決済・文書管理システム等、新しい技術を使っても良いと思う。紙ゴミ削減のためにさらなる努力をすべきと考えるが、いかがか。

経営企画部長:各職場で取り組む従前からの削減努力に加え、近年では庁内グループウェアのアンケート機能や電子会議室の活用等を進めている。また、無線LANアクセスポイントの整備や庶務事務システムの導入によって様々な業務においてペーパーレス化が推進され、結果として紙ゴミの減量にもつながるものと期待している。

電動アシスト付自転車は本当に必要?【令和4年第1回(3月)定例会 質疑及び一般質問(その3)】

昨年行われたとある保険会社の調査によれば、まだ電動アシスト付自転車のシェアは17.6%、依然として約7割がシティサイクル(いわゆるママチャリ)のようだ。しかも、街なかで見かける電動アシスト付自転車の多くは、後ろに子ども用の座席がついており、おそらく保育園や幼稚園に子どもを送迎するために購入したものだ。

私もほぼ毎日自転車で通勤し、市役所の駐輪場を利用しているが、職員の方々が通勤で使用している自転車も圧倒的にママチャリが多い。

公務のために自転車を使用する職員の年齢は、当然のことながら、ほぼ20代から65歳で、高齢の方の利用は想定できない。体調が優れない方や重い荷物を運ぶときは自動車を使うだろうし、坂道は自転車を押して歩いてもよい。この方が、環境にやさしい「ウォーカブル・シティ」にふさわしい。

便利さを追求しすぎることはよくないとおっしゃっているが、まさにその通りで、便利なものにはその便利さ故のトラブルもあり、電動アシスト付自転車は、バッテリーが切れた場合、やたらと重い。

周囲の事業所でもママチャリを使っているところが多い。郵便局、交番、埼玉西部消防局もママチャリを使っている。なぜ市役所だけ「電動アシスト付」なのか理解に苦しむ。

公務における自動車の利用抑制ばかりに着目し、自転車利用の現状を考慮せず、「思いつき」で考えた施策の印象が否めない。どうしても「電動アシスト付」を使用したいのであれば、今回実施予定の「公務におけるシェアサイクルの活用実証実験事業」(議案資料p.64)の枠内で利用すればよいと考える。


中村とおる:低公害車導入事業として、今回、新たに5台の電動アシスト付自転車を購入するとのことだが、なぜ電動アシスト付なのか、普通の自転車でもよいのではないか。

財務部長:本庁舎では自転車16台を保有している。購入予定の電動アシスト付自転車は、行き先への距離や坂の有無などによる条件で、これまで自動車で移動していた場所への移動にも自転車を利用することによって、自動車の利用を抑制し、ゼロカーボンシティの実現へつなげようとするものだ。業務効率や体力的な個人差などを考慮し、自転車の利用を促進したいと考える。