やっと改善か⁉︎ パブリックコメント手続について〔令和4年第2回(6月)定例会 一般質問 その2〕

パブリックコメント手続の改善については平成29年から機会あるごとに質問している(たとえば、ここ)。

改善提案は次の4つだ。

  1. 明確にパブリックコメントの対象とならない案件以外は全てパブリックコメントに付すべき
  2. 手続の適用除外となった案件は、除外となった理由とともに公表すべき
  3. 国の行政手続法等と同様に、規則や処分基準、審査基準、行政指導指針等も対象とすべき
  4. 多くの自治体と同様に、意見等提出期間を14日以上から30日に改めるべき

ということだ。どの点も国及び多くの他自治体ですでに実施されていることであり、決して難易度の高いことを要求しているわけではないのだが、本市の改善の進捗は思わしくない。本市だけができない理由があるのだろうか……。

といっても、たびたび質問にとり上げてきた成果だと思うが、運用面では多少の改善が図られ、1つめ、2つめについては、適用除外となった件名とその理由を市ホームページで公表するようになったし、4つめについても意見等提出期間が従前は平均17日程度であったものが、近年では21日程度となっているようだ。

しかし、3つめは全くの手つかず。多くの自治体でパブリックコメントに付された上で実施されているパートナーシップ・ファミリーシップ届出制度についても同手続が実施されることはなかった。

まだまだ課題の多い本市の制度だが、今回は4つ目の意見等提出期間に絞って質問を行った。


中村とおる:昨年の12月定例会でも質問したが、現在、要綱上に記載されている意見等提出期間の「14日以上」の14日には、過去の答弁の通り、「明確な根拠がない」。他自治体並みの30日に改めるべきと考えるがどうか。

経営企画部長:パブリックコメント手続実施要綱の改正事務を進めている。

ご存知でしたか? 教育委員会への直接請願することも可能です

12月定例会で行った一般質問の内容です。今回は、教育委員会への請願についてです。

請願といえば市議会への請願が一般的ですが、教育関係の事柄については、法令上、教育委員会に直接請願することも可能です。

質問では、請願制度に対する基本認識をはじめ、請願が提出された場合の具体的手続きの現状などについて教育委員会の姿勢を質しました。

憲法16条や請願法に規定されているように、請願は市民に限定されることなく何人にも与えられた権利であり、国や自治体の諸機関は「これを受理し誠実に処理(請願法5条)」しなければなりません。これらの規定を受け、本市の教育委員会会議規則11条にも「教育委員会に対して、請願又は陳情をしようとする者は委員長の許可する時間内において事情をのべることができる」とあります。教育委員会に直接請願することは可能なのです。

しかし、教育行政に関する市議会への請願件数や議員による一般質問の状況に比べ、教育委員会への請願件数は圧倒的に少なく、過去5年間に受理されたものは0件、直近では平成17年度に教科書採択に関するものが2件あったという程度にとどまっています。この件数の少なさは、教育委員会が市民などに請願制度の存在をほとんど知らせてこなかったことを示しています。

しかも、これら2件の請願は、担当課で受理された後、教育長の決裁を受けたのみで処理されており、教育委員会会議での実質的な審議は行われず、請願者に結果報告がなされたのかも不明です。紹介議員が必要となるものの、公開の場で審議が行われる市議会の請願制度に対し、教育委員会の制度は請願法に定める「誠実に処理」という文言に本当に適合しているのか多くの疑問が残るところです。

質問でもとり上げましたが、教育委員会においてこうした状況が起こる原因のひとつは、請願のとり扱いについて、他自治体には存在する手続きや基準を明示した規則・要綱等が本市には存在しないことによります。答弁のなかで、教育総務部長から「整備していく」との発言もありましたが、一刻も早い制定が待たれます。

請願は「教育行政に対する市民の関心と期待の表れ(教育委員長発言)」です。制度のさらなる周知と関係法令に則った適切な処理が期待されます。