京都府内各市へ――建水委員会視察

23日〜25日にかけて京都府内の4市(向日市・長岡京市・亀岡市・京都市)を訪れた。

【向日市】
雨水貯留トンネル等、浸水対策について視察。

「雨に負けない街づくり」。説明して下さった担当職員の方々の名刺にはすべてこのキャッチフレーズが書かれている。

向日市は約1,200年前から水害に苦しめられていた地域である。

太古の時代、この地には長岡京があった。しかし、相次いだ天皇周辺の不幸とともに、周囲にある河川が頻繁に氾濫したことから10年間で平安京への遷都を余儀なくされたという。

向日市の雨水排水計画の概要について説明を受け、石田川1号幹線(総事業費約23億3,000万円、貯留量11,700m3)を見学させていただいた。

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大雨が降った時、河川があふれ出す前に水をこのトンネルに取り込み、河川の水位が下がった後にポンプで排水する施設である。貯留状況は市ホームページからも確認できる。

説明をしてくださった職員の方は「下水道事業には多額の費用がかかるが、トンネルのように施設自体は地下にあることも多く、市民の理解を得ることに苦労している」とおっしゃっていた。

【長岡京市】
長岡京駅西口地区第一種市街地再開発事業(事業費:205.5億円)を視察。

よくある駅前再開発のひとつだが、キーテナントとして予定していたマイカルの途中撤退、コンサルタントが同じ会社であるなど、所沢日東地区の再開発・区画整理と多くの共通点があることから今回、視察させていただくことになった。

市役所に再開発・区画整理を経験した人材がいないなかでのスタートであり、国交省から人材を迎え入れたり、第3セクターである長岡京市都市開発株式会社を設立したりと、完成までにはかなりの苦労があったようだ。

おそらく、当初の計画に比べ、多くの床を市が購入することになったと考えられるが、都市計画決定から約9年での事業完成は「かなり早い」との印象を受けた。

ハード面のまちづくりには莫大な費用がかかることから、現状、自治体全体として事業着手にゴーが出にくい状況が続いている。しかし、一方で、ある程度費用がかかっても、50年、100年先を見据えて事業を開始し、できるたけ早く事業を完成させることも大切だということを感じさせていただいた。

【亀岡市】
七谷川野外活動センターを視察。

キャンプ場や三角屋根のツリーハウス、野外調理場、体育施設、グランドなどが完備されている。

昭和57年、地元自治会が自主運営していたキャンプ場に市が青少年の健全育成を目的とした野外活動センターを建設。当時は年間13,000人程度の利用者があったが、近年では7,000人程度の利用にとどまっている。平成18年度からは指定管理者制度を導入し、地元自治会が運営しているとのことだった。

指定管理者である自治会の方からは青少年の健全育成に対する篤い思いを、そして、市職員の方々からは今後の運営に関する戸惑いをお聞きした。

客観的にみて、開設当初の目的からは、この施設の役割は終えたという感じである。推測の域を出ないが、市としては廃止の検討もなされたといったところだろう。

今後は青少年に限らず、世代間の交流を図る施設として運営していきたいとのことだが、自治会関係者の思いと行政改革の狭間で揺れている施設であるという印象を強くもった。

【京都市】
太秦東部地区土地区画整理事業・太秦東部地区第一種市街地再開発事業を視察。

全国的にもあまり例のない区画整理と再開発を一体に行った事業であり、政令市でははじめて、一般市まで含めても静岡県島田市に次ぐ2番目というものである。

実は平成15年にも建設水道常任委員会の視察にて取り組み状況を視察させていただいたのだが、当時何もなかったところに新駅ができ、大きな再開発ビルがすでに建設されていた。

区画整理と再開発の一体的施行の特徴としては「申出換地」制度などにより、権利者が地区内の再開発ビルにも入居できることだが、再開発ビルに入居された方はいないとのことだった。

整備計画の策定にあたっては市民・行政・専門家による検討会など、様々なかたちでの市民参加が行われたようだ。

平成15年に訪れた際には何となく活気のないまちであったが、再開発ビルという新しい顔の誕生により、まちが蘇っているということを肌で感じることができた。

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