恥ずかしながら、今まで司馬の本をあまり読んだことがありませんでした。
いわゆる「司馬史観」に基づいて書かれたものなのでしょうか、統帥権の支配した日露戦争から敗戦に至るまでの期間を日本史上の「異胎」とし、日本の歴史には非連続があると書かれています。
歴史認識は人・国(例えば、中国と日本のそれの違い)によってそれぞれであると思いますが、日本史上からここまで大胆に戦争時代を切り出した本書の歴史観に個性の強さを感じました。
かつて読んだ加藤典洋『敗戦後論』(講談社、1997年)にも、敗戦国の歴史には「ねじれ」があるといった記述があったような……。
そんなことを思い出しました。