第2市民ギャラリーと設置条例の必要性について

13日、久しぶりの一般質問を行いました。22年5月からは議長職にあったため、改選後初、1年9ヶ月ぶり、藤本市長就任後初の質問となりました。

今回は、

  • 公有財産の有効活用について
  • 通称「アカバッケ」の安全性について
  • 市長のいう「絆」について

の3点について市の見解を質しました。

まずは「公有財産の有効活用について」です。

この質問は、

  • 第2市民ギャラリーについて
  • 設置条例の必要性について
  • 施設跡地の有効活用について

の大きく3つにわかれますので、それぞれについてまとめてみたいと思います。

第2市民ギャラリーについて

所沢駅東口前の一等地に第2市民ギャラリーという施設があります。10年前、本庁舎の市民ギャラリーを補完する施設として所沢駅東口の旧区画整理事務所を改修して設置されました。選挙時の期日前投票所としての印象も強い同施設ですが、基本的には芸術文化活動や生涯学習活動に関する催しに使用できる施設であり、地元町内会からの要望を受け、平成21年1月より自治会等の地域集会にも使用できることになっています。しかし、この施設の稼働率はその立地に反比例して芳しくありません。平成20年度は10.8%、21年度は11.7%、22年度は32%、昨年度は45%と、上昇傾向にはあるものの、今ひとつの状態が続いています。

こうした状態となってしまっている原因は、市がこの施設(財産)の活用方法を曖昧にしたまま管理・運営を行ってきたことによると私は考えています。

事実、市の個別事業を評価する事務事業評価の評価理由は「平成○○年度から開始し、○年が経過した事業であるが引き続きPR活動に努めていく。しかし、稼働率の現実を踏まえ今後の利用方法等についても引き続き検討を進めていく」と毎年同じであり、根拠法令の記載欄は数年間記載ミスのままでした。さらに、自治体の所有する財産は、法令上、行政財産と普通財産に分類され(※1)、昭和55年6月23日の広島高裁判決(※2)の通り、市の内部基準ではなく実際の使用状況によって分類しなければならないのですが、第2市民ギャラリーは普通財産となっており、さらに、設置および管理の根拠となる条例(設置条例)も整備されていません(※3)。こうした状況が10年も続いているのです。

第2市民ギャラリーを所管する財務部長の答弁は「第2市民ギャラリー用地の将来の活用方法が決まるまで、結果として10年間の暫定利用が続いてしまった。老朽化も進んでおり、改めて施設のあり方について検討する時期にきている。(設置条例の必要性については、)この検討を踏まえた上で考えていく」というものでした。

これからも当分の間、現状の暫定利用が続くのであれば、法律上、第2市民ギャラリーを行政財産とした上で、同施設の設置条例の制定が少なくとも必要とされるはずです。

第2市民ギャラリーについては、存廃も含めた今後のあり方を検討し、その結果を踏まえた早急な改善策が求められます。

※1 自治体の所有する財産は、行政財産と普通財産に分類されます。行政財産とは、自治体が直接事務の執行に用いるもの(庁舎など)や、一般利用に供するもの(公園、道路、図書館、学校など)であり、普通財産とは、行政財産以外のもの(売り払い用の土地、使用目的の定まっていない施設跡地など)をいいます[地方自治法238条]。

※2 「公有財産が行政財産と普通財産のいずれに分類されるかは専らその用途によって決せられ、普通地方公共団体が内部処理として如何なる分類をしているかは関係ない」(昭和55年6月23日広島高裁判決)。

※3 自治体は、住民福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設を設けることができ、その設置・管理については条例で定めなければなりません[地方自治法244条、244条の2]。市が設置した立体遊歩道について、その設置および管理に関する事項は条例で定めなければならないとされた判例(平成14年11月26日広島地裁判決)もあります。

設置条例の必要性について

※3の注釈の通り、一般利用を予定している自治体の施設の設置・管理については条例に拠らなければなりません。条例を制定することにより、「(施設の設置目的に)違反するような恣意的な使用制限を排除して、住民の使用についての便宜を与えるとともに、その利用が不当に害されることがないよう(先述の広島地裁判決)」にしなければならないからです。

しかし、第2市民ギャラリー以外にも設置条例が存在しない施設が数多くあります。たとえば、市内各地にある学童クラブ、柳瀬・中富・山口の民族資料館、秋津駅第1自転車駐車場、西武球場前第1自転車駐車場、老人簡易集会施設わかば、小手指市民ギャラリーなどです。

それぞれ、施設設置当初に様々な経緯があってのこととは推察されますが、住民の利用関係を安定させ、施設のもつ本来のパフォーマンスを発揮させるためにも設置条例が必要であると考えます。

理屈っぽい文章がだいぶ長くなってしまったので、「施設跡地の有効活用について」は次回にまとめたいと思います。

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