6月定例会が閉会しました。
9人の議員が入れ替わったことはもちろんですが、副議長に就任したことにともなう議会内での役割の変化もあり、改選前とは少しだけ異なった雰囲気の定例会でした。
一般質問中日には、議長の代わりに議事の進行を担当しました。議長席に座るのはもちろん初めてのことでしたので、多少緊張もしましたし、周りにあるもののチェックやらで、今考えれば少し落ち着きが無かったかなという気もします。
原田尚彦『新版 地方自治の法としくみ 改訂版』(学陽書房、2005年)
よくある逐条で書かれた地方自治法解説本ではなく、筆者の関心や近年重要とされている点についてトピックごとに整理し書かれています。
この手の法律解説本を最初から最後まで続けて読むことは、忍耐力が必要でなかなか難しいのですが、なぜか読み終えることができました。読んでいるときはあまり感じなかったのですが、法律の解説や身近な問題とのかかわり、判例などのバランスがとても良かったのかなという気がしました。
初版の発行が1983年ということもあり、多少の古さは否めませんが、地方自治の制度や各自治体をとりまく現在の状況を概観するにはおススメの本です。
印象に残ったところをいくつか。
「国の措置に違法の疑いがあると思慮する場合には、積極的に訴訟を提起して裁判所の判断を仰ぎ、その適法性が確認されたとき、はじめてこれに従うべきなのである。地方自治の保障は、自治体の側に、自主的に法を解釈する権限をあたえるが、同時に、その適法性を確認する責任を課していると解される。」(p.68)
後半の「同時に〜」部分は、地方自治に携わる人間にとって非常に重い一文です。
与野党の国会議員がともに地方分権を声高に叫ぶご時世ですが、国会議員はやはり国政の議員であり、当然ですが、国の側から地方分権を論じがちです。今後も分権をすすめるためには、自治体が積極的に司法判断を活用すべきと考えます。
「憲法上の地方自治の保障を手続的参加のみに求め、実体的保障をいっさい断念してしまうのは、いささか早計である。憲法が地方自治を保障する以上は、地方公共団体が住民自治の原則に即して実施すべき中核的事務があると考えるのが、常識的である。たとえば、地域の環境保全や住民の健康な生活環境の保持は自治体固有の自治事務と解すべきである。もしこの分野に法律が定められた場合には、その規定は、自治体の権能を制約する立法ではなく、全国一律のナショナル・ミニマムの定めであり、自治体が必要な対策を追加的に講じるのを妨げるものではないと解すべきである。」(p.71)
と書かれていますが、その一方で、
「自治体が自主的に独自の政策を行うには、あらゆる施策を、他の施策との調和を配慮して比較考量し果敢に取捨選択しなければならない。いかなる施策も現実の行政においては絶対的至上価値をもつとはいえない。福祉の充実とか環境の保全は、つねに他の施策に優先すると主張する向きもあるが、これらの施策といえども、他のもろもろの施策との調和を考慮し、ホドホドに実施すべきであって、多々益々弁ずというわけではない。いま、具体的に福祉に例をとると、たしかに福祉の向上は人道上望ましいけれども、人びとの自立心を脆弱にしたり、費用負担者である納税者の勤労意欲をそぐようでは、健全で活気ある地域社会の形成に役立たない。いかに正当な目的を追う政策でも、その推進は、反面に自由の制約、負担の増大、行政水準の低下、不公平感の助長、モラールの消沈などのデメリットをともなうものである。」(p.245〜246)
当然のことですが、政策形成段階での住民参加を保障し、自治体が自らの責任において効率的かつ住民の利益を最大化できるような政策を選択・決定していくことが求められています。
「審議会等は、正式には条例にもとづいて設置されるが、要綱などにもとづいて設置される審議会や研究会もある。こうした機関は、非公式な機関であって、執行機関とりわけ長の、いわば私的諮問機関と位置づけられている。現在のところ一部下級審にはこれを違法とする趣旨の判決(さいたま地裁平成十四年一月三〇日)もあるが、要綱等による諮問機関の設置を違法とする声は、あまりきかれず、ある程度、行政慣行として承認されている。だが、委員の報酬は公金から出されているから、こうした扱いを容易に一般化してよいかは疑問である。お気に入りだけを集めた、いわば私的なブレイン行政はときに、権力の私物化を招く。条例主義を徹底することが望ましい。」(p.113〜114)
所沢市の審議会もすべて条例設置ではないような? 今後の課題です。
6月定例会真っ最中ですが、これぞ行政!?という興味深い事例をご紹介。
今定例会で審議中の下水道特別会計補正予算。内容は下富地区に新たな下水幹線を築造するため、1億1,600万円を加えるというものです。
一見すると、市財政のどこかに1憶1,600万円のお金があったというような印象を受けますが、実は、財源の半分(6,600万円)は国からの補助金。そして残りは市債の発行(5,000万円)。
市に手持ちの資金がなくてもこの下水幹線は完成してしまうわけです。
国からの補助金はともかく、市債の発行はもちろん市の借金ですから慎重な対応が必要ですが、下水道のように耐用年数が長く、長期にわたって市民の用に供するものは世代間の公平性を図るため、市債による事業化になじむものともいえます。
ちなみに、所沢市の下水道普及率は人口ベースで90.34%。下水道事業に係る地方債残高は今年度末見込みで約228憶円。支払のピークは平成17年度で22億円7,000万円を償還しましたが、今後の償還額は少なくなってくるとのことです。
6月定例会初日、改選後いち早く委員会を開催した市民環境常任委員長から「(仮称)第二一般廃棄物最終処分場」の選定過程についての報告がありました。
以下、その報告の内容です。
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・必要面積5haの根拠、ごみ発生量及び処理量の見込み、資源化率の近況について
(担当部より) 平成9年度の一般廃棄物処理基本計画改定の際に、ごみ予測量25万立米、5haと決めた。市内から出る一般廃棄物の総ごみ量はほとんど横ばい状況、資源化の割合は約4分の1と年々再利用率が上がっている。
・資源化率が上がれば最終処分場に持ち込む量は減るのか。容器包装リサイクル法以外のプラスチックについてリサイクルをしているなどの自治体を把握しているか。
(担当部より) 廃プラスチックを焼却できるのであれば、当然埋め立て量も減ってくると予想される。プラスチックを熱エネルギー以外にリサイクルしている自治体は把握していない。
・サーマルリサイクルにおいて、焼却=リサイクルだという定義があるのか。廃プラスチックを焼却した場合と埋め立てた場合のコストの違いは。
(担当部より) 国の改正基本方針を見ると、発生抑制や再利用促進をしても残ったものは直接埋め立てを行わず、熱回収を行うことが適当となっており、部内で検討している。廃プラスチックを焼却すると、総体的に約2億数千万円の費用が削減できると考えている。
・最終処分場に持ち込む量が今後減っていく可能性があるということは、もっと小さな施設、あるいは、より長く使える施設となるのではないか。
(担当部より) 今後、一番新しい数値を使って実施するので、5ha、25万立米にはならないかもしれない。しかし、安定的な廃棄物の最終処分を考えると、ある程度の規模を確保し、長く使える処分場をという考え方もある。
・「(仮称)第二一般廃棄物最終処分場」に関する庁内連絡会議ついて
(担当部より) 財務部、市民経済部、まちづくり計画部、道路公園部、下水道部、農業委員会事務局、教育委員会等で構成されており、6月7日に第1回目の会議を予定している。地元の意向等も踏まえ、今年度中に候補地を選定したいと考えている。
・跡地利用や選定条件について
(担当部より) 跡地利用とは、山間であれば公園、平地であれば運動広場等をつくれるといった可能性のこと。平地型の施設利用となると、埋設物のある地盤に建物をつくることは難しくなり、どうしても総合グランドや屋外展示会場のような形になるのではないか。
これまで6か所を最終的に絞り、その中の1か所を断念したが、残りの5か所は検討委員会の経緯を踏まえているので、候補地として残っている。その5か所に跡地利用の条件と合う新たな候補地を4か所ぐらい加え、庁内で検討する。
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