■ 義務教育改革「総額裁量制」の現状と今後について
(中村とおる)
昨年度から教員給与費の国庫負担分に「総額裁量制」が導入された。この制度は、従来、国が国庫負担の対象となる教員数や諸手当に上限を設けるなど、使い道を細かく指図していたが、これらを緩和して総額だけを国が決め、人件費という枠内で各都道府県の裁量を大幅に認めるというものである。
「総額裁量制」の活用例として、例えば、
・ 給与のうち一律支給の部分を抑制し、能力・実績に応じて支給される部分を増額する
・ 常勤教員1人に代えて退職教員2名を配置し、少人数指導や補習授業を充実させる
・ 常勤教員1人に代えて非常勤教員2名を配置し、多様な選択科目を開設する
・ 給与抑制措置により財源を捻出し、教員増による少人数学級を実施
などが考えられる。
マスコミでは、国庫負担金制度を守りながら地方の裁量を広げるという文科省の思惑と、規制緩和を創意工夫ある教育行政に結びつけられない地方の実情を取り上げ、「文科省、自治体の両者痛みわけ」とい形で報道されている。
教育の問題を質ではなく量で語ることが適当であるかどうかは別に、子どもをもつ保護者はもちろん、市民にとっても教員数については関心の高いところである。
(1) 導入された教員給与費の「総額裁量制」に対する県の対応は。
(2) 市に与えた影響は。
(3) 規制緩和が進んでいる現状を踏まえ、市として創意工夫ある教育行政を今後どのように進めようとしているのか。
(教育長)
(1) 「総額裁量制」を導入し、16年度から加配定数の弾力的運動に取り組んでいる。その結果、市内では小1・2で35人、中1で38人の学級編成が可能となった。
(2) これに応じて、16年度に小学校15校で17学級、中学校2校で2学級を、17年度は小学校17校で25学級、中学校1校で1学級を増やすことができた。
(3) 現在、市単独予算で81名の教員補助員を配置している。また、学校管理規則を改正し、予算や人事に関して校長に裁量権を与え、特色のある学校づくりを行っている。また、2学期制を導入するなどして、教員の意識改革も図ってきた。今後も地方分権や規制緩和の理念に立ち、教育改革を推進していく。
■ 下安松地区におけるコミュニティセンター建設について
(中村とおる)
下安松地区には文化的公共施設がないことから、図書館やコミュニティセンター設置について、これまでにも多くの議員から質問や要望が出されている。
また、近年いわゆるコミュニティ論の隆盛もあって、「地域のことは地域で」という言葉が多く聞かれるようになってきた。当地区においても自主的な行事や防犯パトロールが頻繁に行われている。
ソフト面での地域力はある。あとは、それを支えるハード面での基盤整備だと考えるが、
(1) コミュニティセンターや図書館を含む公共施設整備について、過去に地域の方々からどのような要望があったのか。
(2) 厳しい財政事情の折だが、地域拠点として下安松地区にコミュニティセンターを建設できないか。
(市民経済部長)
(1) 過去に議会での質問はあったが、調べた限りでは正式な形での要望は無かったと認識している。
(2) 当地区の実情も理解しているが、現状、財政的に難しいと考える。
注:(1)については、平成14年5月〜6月にかけて、下安松町内会から計5,119人の署名とともに「図書館とコミュニティセンターの複合施設の建設を願いたき件」という要望書が提出されていることが判明し、翌日の会議冒頭、市民経済部長より訂正の答弁がありました。
この答弁を聞きながら、中村とおるは「5年も経っていないのに5,000人以上もの署名を集めた要望書の存在が忘れられてしまっている……。担当の異動もあることだし、他の業務で忙しいとしても、そりゃ無いよなあ」と思いました。
この問題については、引き続き、地域の方々とも相談しながら取り組んでいきたいと思っています。
※ 一般質問
今議会では、
・ 災害に備えた建築物の耐震化、住宅密集地の現状等について
・ 下安松地区におけるコミュニティセンター建設について
・ 東京航空交通管制部の機能移転について
・ 義務教育改革「総額裁量制」の現状と今後について
・ 都市間競争への対応について
質問を行いました。
■ 災害に備えた建築物の耐震化、住宅密集地の現状等について
(中村とおる)
阪神大震災で亡くなった人の実に96%は建物や家具の倒壊に関係する死因(圧死、窒息死、焼死等)で、しかも、地震発生後15分以内で亡くなっているという。ほぼ即死の状態だ。
一般的に災害対策といえば、水、乾パン、ラジオ、懐中電灯、避難場所・経路の確認などが想起される。
しかし、これらの対策は、死者の命を守ることには役立たない。
阪神大震災での死亡状況を考慮するならば、建物の倒壊や家具の転倒を防止するための事前対策こそ力を注ぐべきと考えるが、これらに関して、今までどのような施策を行ってきたのか、また、今後どのよな施策が考えられるか。
(危機管理担当理事)
個人の木造住宅を対象とした簡易耐震診断サービスやまちづくり出前講座での啓発活動を実施している。9月からはパソコンソフトを利用した簡易耐震診断を無料で行っている。今後も引き続きホームページ等を活用し情報を発信していく。
遅れましたが、9月定例会の報告です。
【市長提出議案(主なもの)】
※ 一般会計補正予算
一般会計の補正は、11億4,883万3千円を追加し、補正後の総額は774億668万5千円になりました。主な補正予算は次の通りです。なお、補正額のうち、10億円は財政調整基金への積み立てです。
・ 施設改修工事費追加 3,700万円
向陽中学校にエレベーターを1基設置するための費用です。給食の配膳と障がいをもつ生徒を支援するために使用されます。
・ つどいの広場事業補助金 260万円(国130万円、市130万円)
子育て親子の交流、相談、情報提供を行うつどいの広場を運営するNPO法人に対して運営費(半年分)の補助を行います。つどいの広場設置場所はくすのき台3丁目です。
・ 交通安全施設設置工事追加 1,357万6千円(県621万円、市736万6千円)
上新井、上安松地区に交通安全に係わる施設(グリーンベルト、道路区画線、交差点滑り止め、カラー舗装など)を設置するための予算です。
・ 廃棄物処理施設整備費 6,063万4千円(国1,600万円、地方債4,530万円、市△66万6千円)
進行中である三位一体改革の関係で、平成18年度に予定されていた旧東部清掃事業所の解体工事を前倒しして行うものです。煙突、焼却設備を解体、建物の一部を改修し、ストックヤードや収集事務所、ごみ収集車の駐車場となります。なお、本予算は今年度分であり、工事期間は3年、総事業費約17億円工事となります。
※ 交通災害共済条例の一部を改正する条例
交通災害共済の会費を見直し、より健全な制度運営を行います。中学生以下の会費は現行のまま(300円)ですが、一般の会費を現行の400円から600円に引き上げます。
なお、交通災害共済については、私も3月定例会で質問しておりますので、詳しくはこちらをご覧いただけたらと思います。
※ 市立児童館設置及び管理条例の一部を改正する条例
無料であった生活クラブ事業を有料化し、保護者の方々に保育料として月額1人6千円の負担をお願いするものです(2人目からは3千円)。なお、この改正に併せて、対象児童を3年生から6年生までに拡大し、開設時間も6時半まで延長します。
この議案については、議会でも意見が分かれ、付託された市民環境常任委員会では反対多数により否決されましたが、本会議では賛成多数により可決されました。
賛成会派は、
会派「翔」・市民クラブ・公明党・さわの会(1人)・共生・風
反対会派は、
民主党、日本共産党、さわの会(2人)
でした。
主な争点は以下の通りです。
(賛成)
・応益負担の観点から、有料化には賛成する。ただし、単純計算で年額7万円以上の負担増となることから、激変緩和措置を期待する。(私の所属する会派の意見です。)
・利用対象が限定され、減免措置もあることから、利用者の応益負担と応能負担のバランスを考えた子育て支援策だ。
・開設時間の延長は評価できる。改正にあたっては、事前に協議会も経ており、月額利用料も県内平均より高くない。
(反対)
・有料化への経過措置がなく、利用料の算出根拠もあいまい。保護者の声を反映しているかも疑問だ。
・国を挙げて取り組まれている少子化対策は財政事情を超えて考えるべき。官民格差を是正するならば、民営の負担を軽くすべきだ。
【議員提出議案】
毎年この時期に提出される「決算特別委員会の設置について」他、以下の意見書3件を可決しました。
※ 日本自転車振興会交付金についての意見書
※ 自治体病院の医師確保対策を求める意見書
※ アスベスト対策を求める意見書
このうち「日本自転車振興会交付金についての意見書」は、私の所属する会派「翔」が中心となって作成し、市民環境常任委員会からの提出として可決されたものです。私も、同僚議員とともに、市議会議長会や静岡市議会から資料を取り寄せたり、市執行部にヒアリングをしたりと、意見書の作成に関わりました。
なお、意見書の詳細についてお知りになりたい方は市議会のHPをご覧いただけたらと思います。