2004年10月19日

政策提言と予算審議

来年度の予算編成にあたり、会派としての「政策提言」を市長に提出しました。

提言の内容については、いずれ会派のホームページにアップされると思いますので、そちらをご覧ください。

この種の政策提言は、下段の引用の通り、「提言」の提出→議会内での審議・調整→当初予算に対する決議→決議を受けての3月定例会における審議→予算の可決・修正・否決という来年度予算審議の流れのなかに位置づけられるものであるはずです。

しかし、現状、所沢市議会でこのような流れが意識されているわけではありませんし、おそらく全国でもこのような流れができあがっている地方議会は稀だと思われます。地方分権の時代、このようなところでも地方議会が試されるような気がしています。

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「予算編成権は長に専属しているので、これまでの地方議会は予算の提出を待って予算の政策議論を開始している。このやり方は受け身である。地方議会は制度上そうせざるを得ないとして、そのやり方を戦後50年間続けてきた。形式的には、それでよいのかも知れないが、実質的には議会として手遅れなのではないか。地方議会はさまざまな理由で予算の修正権を行使する例が少なく、ほとんどが予算を原案可決している。これを解決するためには、長が予算を編成する段階で議会の政策を決め長に提出することが必要である。具体的には12月定例会で議員、会派が来年度予算編成に対する意見を出し、その共通事項を決議として可決、長に送付することによって議会の政策が明確になる。この決議は長に対し政治的拘束力があるので、長も正当な理由がある場合を除き無視できない。予算編成権は長に専属しているので、議会は傍観しているほかないとの建前を述べる議会関係者がいるが、それは具体的な予算編成の作業を指すのであって、議会からの政策提言までを否定するものではない。

現在、多くの議員や会派は、この種の政策を長に申し入れているが、それは議会としてではない。問題は住民代表としての議会が予算に自らの政策をどのように実現させるかである。このためには議会の議決で来年度予算編成に対する意見を決議する以外に方法がない。意見書、決議は議会の機関意思であり、多くの事項に用いられているが、来年度予算編成に関するものは少ない。予算は当該団体にとって最も重要であるのに、これについて決議が活用されていないのは理解に苦しむ。地方議会は何が最も重要であるかの認識に欠けている。

3月定例会では、議会が可決した予算に対する決議がどの程度取り入れられているかを点検し、実現していない事項があれば、その理由を質し、答弁に正当性があれば了解する。議会の政策の方が、現状から住民にとって役に立つと解するならば修正で追加削除すればよい。このようにすれば議会の審議は政策中心になる。そして議会の政策は決議で長に申し入れたことで特定されるので、多くの議員は重複した質疑をする必要がなくなる。また議員や会派のスタンドプレーが少なくなる。議員の関心も議員個人や会派の政策から議会の政策中心になり、議会と長のいずれが、より住民に役に立つ現実的な提言をしているかが分かる。別の表現をすれば、仮に議会の政策が貧困なら、それが明らかになるので12月定例会で来年度予算編成に関する決議をまとめるに当たっては、真剣に多角的に議論することになる。

3月定例会で長は、当初予算の施策はすべて長自ら考えた政策のように述べているが、その発信源のいくつかは議会にあることが住民に分かる。これまでのように新規施策はすべて長の専売特許のように述べることができなくなり、議会の存在と評価が高まることとなる。」

野村稔(地方議会研究会代表・前全国都道府県議会議長会議事調査部長)「予算審議改革の視点」『都市問題』95巻10号、2004年、27〜28頁。
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投稿者 中村とおる : 2004年10月19日 21:56
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